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高齢者の運転事故が多発!原因と対策

tecstv

最終更新日 2025年5月20日 by tecstv

高齢者の運転事故の原因と対策

高齢者の運転する車による交通事事故が大きな社会問題となっています。

未来のある幼児の命が奪われるという痛ましいものをはじめとして多くの悲劇が生み出されているのが実情です。

そのような事態が起こる要因として、大きく2つのことが挙げています。

1つ目は日本にあまりに車が浸透しすぎていることです。

決して面積の広い国ではないため、本来は車をそこまで普及させる必要はなかったという見方もあります。

しかし現実問題として田舎のほうは交通機関が発達していないエリアも多く、車がないと生活できないというケースが少なくありません。

また、一昔前にはマイカーを所有していることは、マイホームを持つことと同様にステータスとされていました。

若者の間ではそのような認識は希薄であるため、所有しない人が増えており自動車メーカーは売れ行きが落ちて困っています。

しかし、高齢者の間ではまだ車はステータスであり、同時に生活費需品であるという考えが根強く残っているのです。

そのため、免許返納をしないで乗り続けることを希望する人が多く見受けられ、必然的に事故の発生件数も多くなっています。

もう1つの理由は、自分の衰えを認めたがらない高齢者がたくさんいることです。

何歳ぐらいで免許を変更するのが妥当かアンケート調査を行ったところ、どの世代の回答の平均もその世代の年齢を上回っていました。

つまり、自分の年齢であればまだ運転に支障はないと考えている人が多いということです。

その過信によって、実際には問題がある状態でも運転を続けてしまい、結果的に交通事故に繋がってしまうことが少なくありません。

高齢ドライバーが交通事故を頻発させる背景にはこのような事情があるのです。

対策についての2つの方法

その対策として取られている方法も大きく2つに分かれます。

制度面と技術面によるアプローチであり、これらを並行して推し進めようとしている状況です。

前者の例としては、高齢ドライバー用の免許を新たに設けようとする動きがあります。

現状の制度では、高齢であっても大した検査を経ずに免許を更新できてしまうのが問題です。

それどころか簡易的な検査を通過したことで自信をつけてしまうことがあり、それが交通事故に繋がるという逆効果を生み出しているケースもあるのです。

そのため、免許返納を義務付けたほうが良いという世論もあります。

その根拠となっているのは、免許を18歳まで取得できないという制限が存在することです。

自動車学校にはもっと早く通い始められますが、交付を受けるには18歳の誕生日を向けている必要があります。

18歳より若い人の中には、練習すれば上手に運転できる人はたくさんいるでしょう。

また、田舎に住んでいてマイカーを使えれば生活の利便性が上がるというケースも多いと考えられます。

そうであるのにも関わらず、18歳までは免許を取得できないというルールになっているのが実情です。

一方、高齢者のなかにも運転を上手に行える人がいるのは間違いがありません。

利便性の面からもマイカーが不可欠であるという事情があるのも確かです。

つまり、18歳未満と同じといえる条件でありながら、運転を認められているのはおかしいという見方も可能というわけです。

そのため、下の年齢に制限を設けるなら、上の年齢に対しても同様にすべきという世論が湧き起っています。

ところが、まだ使っていない18歳未満と実際に乗っている高齢ドライバーを一括りにいはできないというのも事実です。

新たな制度や高齢者への啓もう活動が重要

そのため、苦肉の策ともいえますが、専用の免許制度を新たなに設けようとする流れになっています。

また、技術面からはアクセルとブレーキの踏み間違いを防止する装置を導入するケースが増えました。

この踏み間違いが交通事故の原因の多くを占めています。

装置は後付けも可能であるため、カーグッズのショップで売れ行きが著しく伸びているのです。

東京都は、高齢ドライバーが事故防止の改良に使ったお金を負担する取り組みの実施を発表しました。

これは画期的なことであり事故の発生件数の削減を期待できますが、財政が豊かでない他府県は他の解決策を模索する必要があります。

メーカーの努力によって、もっと安く装置を供給したり車に標準装備したりできるのが理想です。

操作を自動化する技術の開発はずいぶん前から進められています。

宅配物の自動配達を実験する企業も出てきており、実用化に向けて技術が進歩している間違いありません。

すべての車で完全に自動化ができれば、高齢ドライバーによる交通事故の心配はなくなりますが、その段階までは当面達することはないでしょう。

したがって、上述のように制度面と技術面の両方で少しずつでも改善していかなければなりません。

そこにもう一つ付け加えるとしたら、高齢者に対する啓もう活動を欠かさないことです。

家族に該当する人がいるなら、加害者にさせないために、免許変更を促すための働きかけをすることが非常に大切になります。