
足場の種類とメリットやデメリット
最終更新日 2025年5月20日 by tecstv
建築工事やリフォームで欠かせない足場は、作業者が安心できる安定性や、作業に集中できる快適性が求められます。
また、設置や撤収の所要時間はコストに直結するので、簡単に設置できることや、撤収しやすい点も評価される傾向です。
鉄パイプを組み合わせる単管は、鉄パイプやクランプといった汎用の資材を組み合わせて作るのが特徴です。
その為、扱いやすく設置の柔軟性も高く、これまでに幅広く活用されてきた実績があります。
規模の小さい工事や狭い場所で重宝される
必要な資材を揃えて組み立てられるので、規模の小さい工事や狭い場所で重宝されます。
足元が床代わりに使えますから、歩きやすく物が置けるのもメリットだといえるでしょう。
ただし、後発の足場と比べると荒削りで、部材の突起部分が引っ掛かりやすかったり、中高層には向かないデメリットもあります。
組み立てに資格を要すること、鉄パイプの重量が重いこともあって、工期が長引く傾向なのがネックです。
鉄製なので、高温多湿の国では短期間でサビてしまうことから、未だに竹を用いている国も存在します。
しかし強度や安全面を考慮するとリスクがあるので、経済的に余裕のある先進国では鉄に切り替えられています。
丸太を締め上げて作るタイプは、伝統的で日本でも古くから存在しますが、近年はより安全な鉄製が普及したことで、あまり見られなくなりました。
間伐材を鉄線で固定するのが特徴で、丸太はヒノキや杉材が用いられることが多いです。
丸太で仮設を作るメリットとしては、木材を加工してサイズを調整できること、建物にフィットする形状に仕上げられる点が挙げられます。
更に、金属製よりも建物を傷つけにくいので、歴史ある建物などの補修に向いています。
デメリットはやはり安全性で、気温や湿度の影響を受けて性質が変化しやすく、常に安定した寸法や質感が得られないことです。
塗装などの職人が自ら組み立てられる
加えて、高温多湿の環境下に置いたり保管や手入れが不十分だと、短期間の内に劣化する欠点があります。
そこは天然素材の宿命で、竹にも通じる共通の欠点となっています。
劣化が表面だけなら対応できますが、内部までは分からないので、知らずしらずの内に中が腐っていると大変です。
品質管理が十分に行われれば、丸太足場も使いどころはありますし、まだまだ活躍する場面は見つかるはずです。
設置に特別な工具が必要ありませんから、塗装などの職人が自ら組み立てられるのはメリットの1つです。
枠組足場は組み立ての難易度、歩行の快適性に大規模に対応することを念頭に開発されています。
つまり、組み立てやすく作業中の移動が楽に行えたり、大小様々な規模に使えるというわけです。
横だけでなく縦にも拡張できますから、中高層にも対応できるのが魅力です。
使い勝手が重視されているので、コストは二の次で単価は高めですが、これといってデメリットはないのでコストを除けば隙なしです。
造船などの割と大規模工事に用いられているので、予算が潤沢でコストが掛けられる現場で見掛ける割合が多いと思われます。
単管ブラケット足場の特徴
単管ブラケット足場は通常の単管と、枠組の中間に位置するコストです。
最大のメリットは作業のしやすさで、移動だけでなく様々な姿勢を取りやすいのも良いところです。
特筆すべきメリットはあまりないですが、デメリットもないので実用的です。
くさび式足場は主流のタイプの1つで、コストのバランスとメリットの豊富さ、デメリットの少なさから人気です。
コストは単管ブラケットを少し上回るくらいなのに、組み立て簡単で解体も容易、工期短縮が可能といったメリットを兼ね備えます。
強度が優れているので、強い風が吹いても安心ですし、何より高さを上げても安定するのが強みです。
地上50m近い高さも可能ですから、中高層建築に用いられているのも頷けます。
最大積載重量は組み方によって幅があるものの、400kg近い重さに耐えられる可能性があります。
単管ブラケットだと半分かそれ以下ですから、かなり丈夫で重量に耐えられることが分かります。
最大積載重量を最重視するなら枠組が有力ですが、コストはネックなので、本当にその積載重量が必要か検討することが重要です。
鋼管を用いるタイプは全て、作業の際に解体や変更が行える資格の保有者が不可欠です。
鋼管以外のタイプであれば、資格がなくても組み立てて使えますが、安全性や使い勝手に差が生じるのが気になります。
どのタイプを選択するか検討する場合は、資格の有無や求める優先順位を決めて、絞り込んでいくのが良いでしょう。
現場で発生することが多く怖いのは落下ですから、間違っても落ちないように組み立てたり安全を確保したいものです。
まとめ
メリットとデメリットを確認していくと、殆どはコストや組み立てやすさ、移動面の快適性に集中していることに気がつきます。
言い換えれば、主要な項目をポイントとして抑え、1つずつ比較してふるいに掛けることで、ベストな候補が絞り込めることを意味します。
完璧なものは存在しませんが、強いて挙げるならKRHのくさび式足場が最も理想に近いと考えられます。